
問 一
誰とも同じじゃない景色を、ここから。
今日の一本 / 偏愛
「割れないから使っている」と本人は言う。けれど台所には、割れていない茶碗が他にも三つあった。
読みかたは、四つあります
INDEX
誰が、何を、何年。ミハラシが聞きに行った偏愛を、年数の長い順に並べています。
24年
まな板
料理教室主宰・Tさん
削ると薄くなる。薄くなった分だけ、使ったということ
20年
町中華
元高校教員・Sさん
20年通って、店主の名前をまだ知らない
18年
エプロン
パン職人・Nさん
洗うたびに色が抜けて、いまは何色とも言えない
16年
文庫本
書店員・Yさん
同じ本を3冊買った。読むためではなく、貸すために
12年
椅子
詩人・Hさん
座面だけ二度替えた。脚は買ったときのまま
8年
マグカップ
校正者・Iさん
底の茶渋は落とさない。落とすと味が変わる気がして
5年
フライパン
会社員・Oさん
5年で一度も洗剤を使っていない
2年
図書館
元教員・Wさん
借りずに帰る日のほうが、多い
CULTURE
知っているはずのものに、まだ知らない側面があります。
BOOM
いま起きていることは、たいてい昔にも一度起きています。
いま、家でしていること
新しく覚えることと、手放すことが、同じ週に起きている。
道具は変わったのに、していることはあまり変わっていない。
LIFE STORY
成功の話ではなく、選んだ話を。
37年勤めた会社を辞めた翌週、彼は製粉所に電話をかけた。うまくいくと思ったからではない。断られたら、それはそれで区切りがつくと思ったからだった。
いまも、朝3時に起きている。ある一日の、開店までの三時間を追った。
04:20

店の灯りだけが、通りより先に起きている。
05:40

同じ手つきを、7年で一度も変えていないという。
06:55

開ける前に、今日の注文をもう一度読む。営業だった頃と同じ順番で。
ここまで、誰かの年数ばかり並べてきました。
今月の問い
ありがとうございます。結果は来月お伝えします。
SERIES
第3回まで公開 / 次回 10月ごろ
最初から読む第2回まで公開 / 次回 9月下旬
最初から読むABOUT
ミハラシは、新しい情報をお届けする媒体ではありません。すでに持っているもの、続けてきたこと、通ってきた時代を、もう一度べつの角度から見るための雑誌です。
答えは書きません。書くのは、誰かがそれを選んだ理由と、選び続けている年数だけです。
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日曜の便り #34
茶碗の取材の帰りぎわに、Kさんが「これ、二番目に長いやつ」と言って別の器を出してきました。31年の話を聞きに行ったのに、その日いちばん長く見ていたのは、結局その二番目のほうでした。
先週の便りより / 青木
こういう、記事に入りきらなかったところを送ります。日曜の朝だけです。
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