つくる
読者と、つくる
ミハラシは商品を仕入れません。在庫も持ちません。やり方は三つあります。読者アンケートから作るもの、記事に出た作り手から直接送ってもらうもの、直す人を残すために集めるもの。どれも、数が集まらなければ実行しません。
THREE WAYS
つくるには、三つのやり方があります
どれも在庫を持ちません。数が集まらなければ実行しない、という条件も同じです。違うのは、お金がどこへ行くかと、手元に何が届くかです。
なぜ、いまこれを始めるのか
ミハラシはこれまで、記事のなかで一度も商品を売っていません。偏愛の取材で「それ、どこで買えますか」と聞かれることが増えてきましたが、その都度、取材先の連絡先を伝えるだけにしてきました。
ただ、取材で見せてもらう道具の多くは、もう作られていません。三十一年前の茶碗も、二十四年前のまな板も、同じものは買えない。読者から届く「同じものが欲しい」という声に、渡せるものがありませんでした。
そこで、作ることにしました。ただし在庫は持ちません。注文をいただいた分だけ作り、余った分は作らない。届くまでに時間はかかります。
アンケートで聞いたこと
7月に、LINEの登録者に向けて一つだけ質問しました。「いま長く使っているものを、もう一度買えるとしたら、何にしますか」。回答は1,204件でした。
SURVEY
読者が挙げたもの 上位5つ
回答1,204件/2026年7月/LINE登録者向け。複数回答は不可としました。以下は自由記述の抜粋です。「削り直せるものがいい」「同じものを二十年後にも買えるかどうかが知りたい」「安くなくていい」。
CANDIDATES
いま検討している三つ
上位から三つを、作り手に相談しています。どれを作るかはまだ決めていません。注文が多かったものから順に、届いた数だけ作ります。30に届かなかったものは作らず、注文は取り消します。
候補 一
削り直して使う、いちょうのまな板
二十四年使っているTさんのものと同じ、いちょうの一枚板。厚みを四センチにしてあるのは、五回削っても使えるようにするためです。削り直しは購入後もこちらで受け付けます。
- 作り手
- 新潟の材木店(調整中)
- 寸法
- 約 42 × 24 × 厚さ4cm
- 価格
- 18,000円(税込・送料別)
- 最低数
- 30
合わない人:食洗機を使う方には向きません。木が反ります。使うたびに立てて乾かす手間がかかります。軽さを重視する方にも向きません。
候補 二
三十年目に色が変わる、飯茶碗
Kさんの茶碗と同じ土と釉薬で、同じ窯に頼んでいます。使うほど貫入に茶渋が入り、線が濃くなります。買った日がいちばん白く、そこから毎年変わっていきます。
- 作り手
- 益子の窯元(調整中)
- 寸法
- 直径 約12cm
- 価格
- 4,800円(税込・送料別)
- 最低数
- 30
合わない人:色を一定に保ちたい方には向きません。漂白すると釉薬が傷みます。一つずつ形が違うため、揃った食器を求める方にも向きません。
候補 三
色が抜けていく、帆布のエプロン
Nさんが十八年洗い続けたものと同じ厚さの帆布で作ります。染めは落ちる前提の顔料染めで、洗うほど薄くなります。胸から先に抜けていくのは、そこに体重がかかるからです。
- 作り手
- 岡山の縫製所(調整中)
- 寸法
- 丈 約90cm・フリーサイズ
- 価格
- 9,600円(税込・送料別)
- 最低数
- 30
合わない人:色落ちを避けたい方には向きません。最初の数回は他の洗濯物に色が移ります。撥水加工はしていないため、水仕事では濡れます。
注文について
- 受注期間
- 9月1日 〜 9月30日
- 作る数
- 注文をいただいた数だけ。追加生産はしません
- 成立の条件
- 各30に届いた品目のみ制作します
- 届かなかった場合
- 作りません。注文は取り消し、料金はいただきません
- 支払い
- 制作が決まってからのご案内です。注文の時点では発生しません
- お届け
- 12月ごろ。作り手の都合で前後します
- 返品
- 受注生産のため、不良以外はお受けできません
数が集まらなければ作らない、という条件を先に書いています。締切までの残り日数や、あと何個で成立するかという表示は出しません。急いで決めるものではないと考えているためです。
※プロトタイプのため、注文フォームは動作しません。
FROM THE ARTICLES
記事から選ぶ
取材で見せてもらったものを、その作り手から直接送ってもらう棚です。ミハラシが仕入れて在庫することはありません。扱うのは、記事に出た作り手のものだけです。店で売られているものを集めてくることはしません。
洗剤を使わない、が五年続く道具は多くない。
設備保全のOさんが使っていたのは、柄まで一体で打ち出した鉄の一枚でした。取材のあと、同じものを打っている鍛冶屋に連絡しました。月に作れるのは十数枚だそうです。
この記事から
鉄のフライパン 直径24cm
- 作り手
- 新潟の鍛冶屋(調整中)
- 価格
- 9,800円(税込・送料別)
- 送り方
- 作り手から直送
- 作れる数
- 月に十数枚
三冊目は、守られていた。
三冊目にだけ革のカバーがかかっていました。買ったのは十年前で、色は最初より濃くなっています。作っているのは、いまも一人で縫っている工房でした。
この記事から
革の文庫カバー
- 作り手
- 東京の革小物工房(調整中)
- 価格
- 6,600円(税込・送料別)
- 送り方
- 作り手から直送
- 色
- 1色のみ。使うほど濃くなります
茶渋がつくことを、はじめから見込んである。
校正者のIさんのマグは、内側だけ釉薬の質が違いました。窯元に聞くと、茶渋が入って色が変わるところまでを含めて焼いているとのことでした。
この記事から
内側の色が変わるマグ
- 作り手
- 岐阜の窯元(調整中)
- 価格
- 4,400円(税込・送料別)
- 送り方
- 作り手から直送
- 注意
- 漂白すると色が戻ります
扱うものを「記事に出た作り手のもの」に限っているのは、こだわりではなく線引きです。良さそうなものを探して並べ始めると、記事のほうが商品に引っ張られます。順番は、記事が先です。
※プロトタイプのため、購入はできません。作り手・価格・数量はすべて仮のものです。
SUPPORT
買うのとは別に、もうひとつの窓口があります
ここまでは、作って買っていただく話でした。もうひとつ、直す人と道具を残すために、お金を集める企画があります。手元に届くのは商品ではなく、直してもらう権利と、二年間の報告です。
まだ直せる。|座面を張り替える人を、もう一人。
第1弾 記事「座面だけ二度替えた椅子」で取材した工房です。張り替えができるのは店主ひとりで、順番待ちは二年。弟子をひとり育てる二年分の費用を集めます。募集は11月30日まで、成立には400人が必要です。
日曜の便り
作り手と話した内容を、そのまま送ります。
どこに頼むか、いくらになるか、なぜその厚みなのか。決まっていく過程を週に一度お送りします。次のアンケートもここでお聞きします。
いつでも解除できます。