ブーム

読まなくなった本を、はじめてメルカリに出した。

読まなくなった単行本を三冊、はじめてフリマアプリに出した。一冊目の出品にかかった時間は十七分。二日後に一冊売れて、手元に残ったのは五百二十円だった。

机の上で段ボール箱に畳んだ衣類を詰める手元。手前に伝票とスマートフォンの出品画面
三冊のうち売れた一冊。梱包は家にあった紙袋を使った。

出品まで、十七分

読まなくなった単行本を三冊、はじめてフリマアプリに出した。一冊目にかかった時間は十七分。写真を撮り、状態を選び、値段をつけるまでだ。

いちばん迷ったのは値段だった。同じ本が三百円から千二百円まで並んでいる。差の理由は、写真の枚数と説明文の長さだった。

売れたのは、二日後

三冊のうち一冊が二日後に売れた。八百円。手数料と送料を引くと、手元に残ったのは五百二十円だった。

梱包に使ったのは、家にあった紙袋と、買い置きの緩衝材。宛名を書いて、コンビニに持って行った。ここまでで、また二十分ほどかかっている。

買った人から、一行来た

発送の翌々日、受け取りの通知と一緒に短い文章が届いた。

「探していた版でした。ありがとうございます」

この本は十四年前に買ったもので、途中で読むのをやめていた。誰かが探している版だとは思っていなかった。

残りの二冊

残りの二冊は、三週間経っても売れていない。値段を下げるかどうかは、まだ決めていない。

下げれば売れるとは思う。ただ、下げた瞬間に、置いておく理由がなくなる気もしている。

出品数
3冊
売れた数
1冊(2日後)
手取り
520円(売価800円)
かかった時間
出品17分+発送20分

手放したのは十四年前に買った本で、かわりに増えたのは、それを誰が探していたかという一行だった。

書き手

鈴木

ライター。ものの手入れと修理を追っている。

鈴木自身の偏愛:12年履いている革靴

べつの見方

持ち物との距離を、逆の方向から。

偏愛 借りずに帰る日のほうが多い、という通い方

日曜の便り

この取材で書けなかった話を、日曜に送ります。

記事に入りきらなかったやりとりや、途中でやめた企画のことを、週に一度だけ送っています。

LINEで受け取る

いつでも解除できます。

ブームのほかの記事