遠出

特急で1時間40分の距離を、各駅停車で行った。

四時間十二分、乗り換え五回。運賃は二千六百四十円安かった。速いほうがいいかどうかは、わからないままだ。

無人駅のホーム。木のベンチと時刻表があり、線路の先に何も見えない
乗り換えに四十一分あった駅。ホームにベンチが一つあった。

四時間十二分

特急に乗れば一時間四十分で着く。今回はそれを使わずに、各駅停車だけで行った。

所要時間は四時間十二分。乗り換えは五回。運賃は特急券を買わないぶん、二千六百四十円安かった。

朝八時十四分に乗って、着いたのは十二時二十六分だった。

降りた駅は三つ

五回の乗り換えのうち、待ち時間が長かったのが三回ある。二十七分、四十一分、十八分。この三回は改札を出た。

二十七分の駅には駅前にコンビニがあり、そこで缶のお茶を買った。十八分の駅には自動販売機だけがあった。

四十一分の駅には、何もなかった。駅舎の外に出て、五分ほど歩いて、戻ってきた。あとはホームのベンチに座っていた。

この四十一分のあいだに通過した列車は、貨物が一本だけだった。

本を一冊読み終えた

持っていった文庫本は二百十四ページで、着く前に読み終わった。特急なら半分ほどしか進まない。

車内で読んでいたのは、二駅か三駅ごとにドアが開く区間だった。開くたびに顔を上げる。集中して読んだとは言えない。

それでも読み終わったのは、単純に時間が長かったからだ。

速いほうがいいかは、わからない

帰りは特急に乗った。一時間四十分で戻ってきて、そのあいだ何をしていたかは覚えていない。

行きの四時間十二分について覚えているのは、四十一分のベンチと、貨物列車と、缶のお茶の温度だ。

これを「豊かだった」と書くつもりはない。二時間半よけいにかかった、というのも事実だ。

特急
1時間40分
各駅停車
4時間12分(8:14発→12:26着)
乗り換え
5回(待ち時間 27分/41分/18分ほか)
改札を出た駅
3駅
運賃差
−2,640円(特急券を買わないぶん)
読み終えた本
1冊・214ページ

次に同じところへ行くとき、どちらに乗るかは決めていない。

四十一分のベンチが、もう一度あるとはかぎらない。

書き手

鈴木

編集者。人と暮らしの取材を担当。

鈴木自身の偏愛:11年替えていない目覚まし時計

べつの見方

同じ道を、三か月で三十七回通った人の話。

ブーム 最近ジョギングを始めたら、街の景色が変わった。

日曜の便り

乗り換えのあいだに書いたメモを、日曜に送ります。

記事にしなかった駅ごとのメモを、週に一度だけ送っています。

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