ブーム

一年かけて家のものを数えたら、3,412点あった。

片づけようとして、まず数えることにした。一年で数え終わり、捨てたのは210点。全体の6%だった。減らすつもりで始めて、減らなかった話を書く。

畳の上に品物を並べ、罫線のノートに手書きで数を書き込んでいる手元
数えた記録は、罫線のノート二冊になった。

捨てる前に、数えることにした

片づけの本を三冊読んだ。三冊とも「まず全部出す」と書いてあった。出したあとに何をするかは、三冊で少しずつ違っていた。

出してみて困ったのは、捨てるか残すかを決められないことだった。決められないまま元に戻すのを二回くり返して、方針を変えた。数えるだけにした。

一部屋につき、ものを一点ずつノートに書く。同じものが複数あるときは「タオル 14」と数だけ書く。判断はしない。これなら手が止まらなかった。

一年で3,412点

五月に台所から始めて、翌年の四月に納戸で終わった。合計三千四百十二点。内訳でいちばん多かったのは書類で、六百八十点あった。次が衣類の五百二十点。

数えている途中で捨てたものが二百十点ある。全体の六パーセントだった。

捨てられたのは、ほとんどが書類だった。衣類は五百二十点のうち十一点しか減っていない。

数えると、増えなくなる

減らなかったかわりに、変わったことがある。買う前に「これは何点目か」を考えるようになった。

ボールペンは、数えた時点で二十三本あった。以降の一年で買ったのは一本だけで、それも前のが書けなくなってから買った。

片づけの本には、こういうやり方は書いていなかった。三冊とも、目的は「減らすこと」だった。

減らすことはできなかった。ただ、家に何があるかを言えるようになった。それが片づいたことになるのかは、いまも分からない。

かかった期間
12か月(台所→納戸)
総点数
3,412点
いちばん多かったもの
書類 680点/衣類 520点
捨てた点数
210点(全体の6.2%)
使ったもの
罫線ノート2冊(220円)

ノートは捨てていない。三千四百十三点目になった。

書き手

小川原

編集者。店と人の関係を主に取材している。

小川原自身の偏愛:21年通っている理髪店

べつの見方

数えずに、十四年おなじ場所に置き続けている人。

偏愛 14年おなじ場所に置いている、猫の水入れ

日曜の便り

数えた一年の、途中経過も送っていました。

記事にしなかった月ごとの記録や、数えるのをやめかけた話を、週に一度だけ送っています。

LINEで受け取る

いつでも解除できます。

ブームのほかの記事