午前の光が差す台所。使い込まれた木の卓に、白い飯茶碗がひとつ置かれている

誰とも同じじゃない景色を、ここから。

今日の一本 / 偏愛

31年使っている茶碗の話を、聞きに行った

「割れないから使っている」と本人は言う。けれど台所には、割れていない茶碗が他にも三つあった。

年数
31
モノ
飯茶碗
陶芸家・Kさん

文・石黒 / 写真・ミハラシ編集部

読みかたは、四つあります

INDEX

偏愛の索引

誰が、何を、何年。ミハラシが聞きに行った偏愛を、年数の長い順に並べています。

CULTURE

カルチャー

知っているはずのものに、まだ知らない側面があります。

BOOM

ブーム

いま起きていることは、たいてい昔にも一度起きています。

いま、家でしていること

新しく覚えることと、手放すことが、同じ週に起きている。
道具は変わったのに、していることはあまり変わっていない。

LIFE STORY

人生ストーリー

成功の話ではなく、選んだ話を。

文・鈴木 / 写真・ミハラシ編集部

退職後、パン屋になった元営業マン

37年勤めた会社を辞めた翌週、彼は製粉所に電話をかけた。うまくいくと思ったからではない。断られたら、それはそれで区切りがつくと思ったからだった。
いまも、朝3時に起きている。ある一日の、開店までの三時間を追った。

  1. 04:20

    開店前のパン屋。引き戸の外はまだ暗い通りで、店内では白いシャツの店主が台に向かっている

    店の灯りだけが、通りより先に起きている。

  2. 05:40

    粉をふった作業台の上で、両手を使って生地を折り返している店主の手元

    同じ手つきを、7年で一度も変えていないという。

  3. 06:55

    焼き上がったパンの籠の前で、受注一覧を表示したタブレットを手にしている店主

    開ける前に、今日の注文をもう一度読む。営業だった頃と同じ順番で。

この日のつづきを読む

ここまで、誰かの年数ばかり並べてきました。

今月の問い

いちばん長く使っているものは、何年ものですか

回答の選択肢

これまでに342人 / 締切 8月31日

先月の問い「捨てられなかったものは何ですか」の結果を読む

MAKE

読者と、つくる

ミハラシは商品を仕入れません。アンケートで多かったものを、注文をいただいた分だけ作ります。

7月にLINEで「いま長く使っているものを、もう一度買えるとしたら何にしますか」と聞きました。回答は1,204件。上位はまな板、飯茶碗、エプロンでした。

この三つを作り手に相談しています。どれを作るかはまだ決めていません。注文が30に届いたものだけを、届いた数だけ作ります。届かなければ作りません。

三つの候補と、注文の条件を見る

SERIES

連載

ABOUT

ミハラシについて

ミハラシは、新しい情報をお届けする媒体ではありません。すでに持っているもの、続けてきたこと、通ってきた時代を、もう一度べつの角度から見るための雑誌です。

答えは書きません。書くのは、誰かがそれを選んだ理由と、選び続けている年数だけです。

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日曜の便り #34

記事にならなかった話を、週に一度だけ。

茶碗の取材の帰りぎわに、Kさんが「これ、二番目に長いやつ」と言って別の器を出してきました。31年の話を聞きに行ったのに、その日いちばん長く見ていたのは、結局その二番目のほうでした。

先週の便りより / 石黒

こういう、記事に入りきらなかったところを送ります。日曜の朝だけです。

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